書評

【1分書評】アンパンチは正義の姿ではなかった。『わたしが正義について語るなら』やなせたかし

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正義とはなにか。絶対的な正義なんてないし、正義はある日逆転する。正義のためには悪人がいなくちゃいけないし、悪人の中にも正義がある。正義を生きるのは大変だけれども、その中で僕たちが目指すべき正義とはー。私たちの絶対的なヒーロー「アンパンマン」の作者が作中に込めた正義への熱い思い!

【書評】『わたしが正義について語るなら』 やなせたかし

アンパンマンの「正義」

アンパンマンの正義の姿はアンパンチにはなかった。

アンパンマンの持つ「正義」はもっと別なところにあったのだ。

私は『わたしが正義について語るなら』を読んで、ようやくそのことに気付かされた。

アンパンチが「正義」なら

アンパンチはアンパンマンの代名詞とも言えるだろう。悪いことをするばいきんまんを一発で倒す必殺技だ。

「必殺技」と書いたが、アンパンマンはばいきんまんを殺すことはしない。ばいきんまんを彼の家まで吹っ飛ばすだけだ。

本当にばいきんまんが「悪」であり、アンパンマンが「正義」なのであれば殺してしまっても問題はないはずだ。事実、他の戦隊モノや仮面モノでは敵を殺してしまっているではないか。

やなせたかし氏の思い

ここに作者のやなせたかし氏の思いがあった。

やなせ氏は本書の中で“ほんとうの正義とは、けっしてかっこうのいいものではないし、そしてそのためにかならず自分も傷つくものです。”と語る。

さらに、「正義」とはすぐに逆転するものであり、逆転しない正義は「献身と愛」だけだと言う。「暴力」は正義ではないのだ。

「正義」の姿

では、アンパンマンが「献身」的な姿を見せるところはどこだろうか。そう、自分の顔を人に与える場面だ。アンパンマンの正義は、自分の顔をお腹を空かせたり元気がなかったりする人に与える姿にあったのだ。

「愛」はどうだろうか。これは相手を許す姿にある。『アンパンマン』の登場人物の中にはアンパンマンのことをよく思わない人も出てくる。しかし、アンパンマンはそんな相手であってもピンチになれば助けるし、お腹を空かせれば顔をあげる。アンパンマンの正義は、自分に対して暴言を吐き、バカにするような相手であっても笑顔で許す「愛」の姿にあったのだ。

アンパンマンに惹かれる理由

子どもたちがアンパンマンに惹かれるのはなぜなのか疑問があった。

彼はカッコいいわけでもないし、特段強いわけでもない。変身するわけでもないし、オシャレな武器を持っているわけでもない。

しかし、彼には「本当の正義」があったのだ。私たちは無意識のうちにアンパンマンが「本当の正義」を示してくれている姿に憧れを抱き、尊敬の念を持ち、彼の姿を応援したくなっていたのだろう。

 

 

【要約】ポイントとなる3つの文章

 

ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではないし、そしてそのためにかならず自分も深く傷つくものです。

15ページ

 

悪いものは、いかにも悪い感じで現れるとは限りません。我々の社会は、なんであんなことで騙されるのだろうということで簡単に騙されるものなのです。

27ページ

 

どうせこの世は夢まぼろし。今、眼の前のことを楽しめればそれが幸福だと思います。

62ページ

 

【実践ポイント】

 

「正義」を盾に人を傷つけるのはやめよう。

 

【読んだ気になれる一言】

 

 「アンパンマン」のハイライトは顔を人にあげる場面だよ。

 

【書籍の情報】

【書籍名】わたしが正義について語るなら

【著者】やなせたかし

【出版社】ポプラ社

オススメ度】★★★★☆

【ページ数】161ページ

【目次】

第1章 正義の味方って本当にかっこいい?

第2章 どうして正義をこう考えるようになったのか

第3章 正義の戦い方

第4章 ぼくが考える未来のこと

 

 

やなせたかしさん、ステキな1冊をありがとうございます!

【お知らせ】

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