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義務教育に通信制を導入って実際どうなの?

義務教育における通信制の導入が提案

教育新聞によると、”政府の規制改革推進会議のワーキンググループで義務教育における通信制の導入が提案された”そうです。

これを受け、柴山昌彦文科相は”「義務教育の質を確保するという観点から、いかがなものか」と述べ、懸念を表明した。”とあります。

あくまで提案されただけなので、それが実施されるかどうかはわかりませんが、提案されたということはそれなりにメリットがあるということでしょう。

一方で、柴山文科相は反対の立場をとっていることから、当然デメリットもあると考えられます。

そこで、まずは通信制が義務教育に導入されることのメリットとデメリットについて確認していきましょう。

通信制のメリット

①通学が大変な児童の負担が減る

現在、郊外に住んでいる子どもの中にはバスで学校に通っている子どももいます。

バスで通うためには、その分早く起きたり、準備をしたりしなくてはなりません。

加えて、バスに乗っている間は朝早くということもあり、ぼーっとしてしまい、そのまま学校生活をスタートしなければならないという懸念もあります。

バスの場合、長時間通学でのストレスは確認されていないが、脳が活性化していないことも懸念され、学習に入っていくまでには、学校に到着後、体を動かす時間を設けるなどの工夫が必要ではないか。(※第2回作業部会朝倉東京学芸大学教授説明資料より)

また、バスが通っておらず、遠距離を徒歩で歩いて通学している事例もあります。

現在の規定では、通学距離については小学校でおよそ4キロメートル以内、中学校ではおよそ6キロメートル以内であることが適正とされています。(「義務教育諸学校等の施設費の国庫負担等に関する法律施行令」より)

しかし、実際には様々な事情を抱え、それ以上の距離を歩いて通っている子どももいるわけです。

これについてもやはり、子どもの心身にとってよい影響があるわけではないようです。

小学校5年生の通学と心身の負担に関する調査によると、徒歩の場合、4キロメートルまでは特に顕著な問題はみられないが、4キロメートルを過ぎると少しストレスがかかってくる可能性がある。(ただし、気象等に関する特異な考慮要素が比較的少ない場合におけるデータであることに注意が必要)(※第2回作業部会 朝倉東京学芸大学教授説明資料より)

このように考えると、単純に同じ小学校に同じように通っている子どもに比べると余計な負担があるわけですね。

通信制が導入されると、そういった負担がなくなるというメリットがあります。

②地域格差の解消につながる可能性がある

同じ小学校であっても、某有名小学校では教科ごとの専科制が導入され、算数や国語、理科、社会など、教科ごとに専門性が高い教員から指導を受けることができます。

一方で、郊外の小学校ではどうかというと、新卒や若手の教員が指導にあたっていることが多いように感じます。

専門性が高く、経験も豊富な教員に指導を受けている子どもがいる一方、専門性も低く、経験も浅い教員の指導を受けている子どももいるのです。

これが、住んでいる場所だけで決まってしまうのですから、それは少し不公平なのではないでしょうか。

通信制が導入されれば、そういった地域ごとに受けられる教育に差があることを解消できるかもしれません。

通信制のデメリット

①学習者の意識によって効果が大きく異なる

通信制の学習を導入したとき、全ての子どもが学校と同じように授業に参加する前提で話を進めている人がいるようですが、当然そうはなりません。

実際にその場に行って話を聞くのと、画面越しに話を聞くのとでは集中力が違ってきます。

現在、通信制の高校を利用している人たちは、「高校卒業資格を取る」という明確な目的があり、それに向けて主体的に学習に取り組もうとしている人です。

一方で、小中学校で通信制を導入した場合、全員が主体的に学習にのぞむかというと、おそらくそうはならないでしょう。

教員がその場にいても45分間集中できない子どもたちが多くいるわけです。

画面越しになんてなってしまうと、なおさらです。

(子どもが集中できないことをやらせる意味があるのかどうかはここでは置いておきます)

となると、家庭で保護者がしっかり見ていて、集中できる状態にある子どもや、最初から勉強をやる気のある子どもだけがどんどん勉強ができるようになります。

勉強ができる子と勉強ができない子の二極化が進む可能性があります。

②コミュニケーションの機会の減少

学校に通うとなれば、否が応でもある程度のコミュニケーションをとる必要が出てきます。

その中で、人との関わり方であったり、距離感だったりを学んでいくわけです。

しかし、通信制が導入されれば、人によっては一切外にでる必要がなくなることになります。

そうなると、家族以外の人と関わる機会が激減することになってしまいます。

ただ、この問題については、インターネットである程度解決してしまうことも考えられます。

「次世代教育アプリ」の登場

Maria Project株式会社というところが、次世代教育アプリ「Maria@home」のサービスを2019年6月27日(木)に開始するそうです。

これはどんなアプリか詳しく知りたい方には上記の記事を見てもらうとして、簡単に説明します。

このアプリでは、これからの世の中で必要とされる能力であるコミュニケーション能力や思考力などを育むことができるそうです。

もちろん、そういったこと以外に「国語」「算数」といった教科も勉強できるようになっているとのこと。

この記事だけを見ているとかなり万能のように見えますが、実際のところはどうなのでしょうか。

ただ、こういったサービスやシステムが教育の場に広がっていくことはおそらく間違いないのではないでしょうか。

おわりに

義務教育に通信制の導入が検討されているということで、ここまで色々と述べてきました。

ただ、この通信制というのが、どういったシステムになるのかは明らかになっていません。

録画した動画をいつでも見れるようなシステムなのか、生放送で中継するシステムなのか、はたまたそれらを併用していくものなのか。

今後、そのあたりも検討されていくのでしょう。

筆者としては、これらが併用されるのであれば通信制には賛成です。

わざわざ学校に行ったり、決められた時間に決められたことをしなくてすむのですから。

仮に実施することになったとしても、おそらくいきなり全児童が対象となることはないと思います。

まずは、不登校児童や遠方の児童などを対象に部分的に実施することになるのではないでしょうか。

しかし、教育界は動向が異常に遅いので、実施されるのは10年後とかになるかもしれませんね…

こういったところも含めて、もっと柔軟に対応できるほうが、子どもたちものびのびと育つと思うのですが。

今後の動向に注目しましょう。

〇義務教育に通信制を導入することで、メリットとしては児童の負担減があり、デメリットとしては児童間の格差が生じることがあげられる。

〇今後は教育の場にもインターネットやアプリを活用したものが多く登場してくる可能性が高い

最期まで読んでいただき、ありがとうございました。

Yamamuka