書評

【書評】『遅いインターネット』宇野常寛 著 「速い」インターネットが社会を壊す

本記事の【書評】約3分で読めます。

情報社会を「健全に」生きていきたい人にオススメ!

「いま必要なのは、もっと“遅い”インターネットだ」インターネットによって失った未来を、インターネットによって取り戻す。民主主義を半分諦めることで、守る。そのための「21世紀の共同幻想論」

【書評】『遅いインターネット』宇野常寛

『遅いインターネット』を読もうかどうか迷っている人に朗報だ。

この本は「買い」で間違いない

さらにもう一つ有益な情報を提供しよう。

おそらく様々なところで本書の情報を聞き、読んでみようと書店に走り、実際に本書を開いた多くの人は前半をパラパラとめくり「うん、これはまた今度かな」と後回しにしていることだろう。

そんな人は第4章を読むだけでもいい。そこにあなたが求めている情報は凝縮されている。

さらに言えば前半のよくわからない部分も4章を読んでからだと理解できるようになるはずだ。

「じゃあ4章から書けよ」と思う人もいるかもしれない。

しかし、その構成も含めて「遅いインターネット」なのだ

「遅いインターネット」とは物理的に「遅い」わけではない。ダイヤルアップの時代やADSLの時代に戻ろうと言っているわけでも、それらの時代のほうが優れていると言いたいわけでもない。

ここを間違えると混沌の海に飲み込まれる。実際、私は当初そのようなイメージを持って読み始めたため前半はかなり苦しかった

インターネットという莫大な情報への触れ方と自身がインターネットに情報を放出する時の技術をしっかりと学び、共有すること。この一連の動きが「遅いインターネット」なのだ。

私たちは「答え」に飢えている。『FACTFULNESS』では「単純化本能」、「パターン化本能」として語られていた。私たちは物事をより単純に、同じように考えたいのである。

そのためビジネス書でも自己啓発本でも、わかりやすく明快なものが好まれる。

妻のトリセツ』や『頭に来てもアホとは戦うな!』などと煽るタイトルがつけられるのも頷ける。(もちろん私はどちらも読んだ。両方名著である。批判していないことはちゃんと文章を読めば理解できるのだが、こういった注記を付けないと「批判するな!」という意見が飛んでくるのが今のインターネットの問題なのである。随分長い注記になってしまった)

しかし、この「わかりやすく明快なもの」が好まれる部分に「速いインターネット」の弊害があるのだ。

私はこの記事を書く前にこんなツイートをしている。

「速いインターネット」は自分が欲しい情報を簡単に集めることができる。

例えば「Aさん 嫌い」と検索すれば一発で自分と同じ意見の人たちを大量に見つけることができるだろう。そうすることで「自分は正しい」と思いこむことができるのだ。

そして「速いインターネット」はその間違いを加速させる

今度は発信者として偏った情報を生み出すのだ。TwitterやFacebookなどのSNSで「Aさんってなんか偉そうだし、ウザい。社会のためにならないよね」などと薄っぺらい中身を発信すれば完成だ。

この一連の流れが生みだしたのが上記のツイートにある3件である。

現代社会においては、大多数がいつも正しいとは限らない。それが著者が言う「民主主義を半分諦める」ということだろう。

この流れに終止符を打つべく、防波堤となるべくして生まれたのが「遅いインターネット」なのだ。

正しく情報を咀嚼する。相手に伝わるように文章を書く。新たな問題を提起する。そして、それらの技術を共有する。

本来なら学校で教えてもよいくらいの話だ

著者は序章で語る。“これは走りながら考える本だ”と。裏を返せば走り出す力、走り続ける気力がない人は読めないということだ。

でも、私は多くの人に読んでほしいのだ。この本を。

だから私は途中までバスやタクシーなどの移動手段を出すことにする。

それが4章から読むということだ。途中から走ったっていいじゃないか。

読み終えた後、走り終わった後、もっと走りたいと思うかもしれない。走り足りないと思うかもしれない。

そんな人は最初から読み直せばいいのだ。

選択肢は用意した。あとは自分でどうするのか選んでほしい。

【名言】ポイントとなる3つの文章

現在のインターネットは人を「考えさせない」ための道具になっている。

184ページ

たしかにインターネットは多様な情報発信を可能にするメディアである。

だが同時にこのインターネットという素晴らしい装置は、発信能力を与えられたところで発信に値するものをもっている人間はほとんどいないことを証明してくれた

190ページ

人間は「共感」したときではなくむしろ想像を超えたものに触れたときに価値転倒を起こす

201ページ

【実践ポイント】すぐにできることは?

 

情報を受け取った時、発信する時、一歩立ち止まって、その情報の信ぴょう性と必要性を考えよう。

 

【読んだ気になれる一言】どんな本?と聞かれたら

 

4章だけでも読んでおいて絶対に損はない名作だよ。

【575まとめ】17文字でまとめると

情報を

受けるも作るも

遅くせよ

【関連動画】こちらもどうぞ

【Youtube】PLANETS YouTubeチャンネルより

著者と編集者である箕輪氏の対談動画です。

【書籍の情報】オススメ度や発売年など

【書籍名】遅いインターネット

【著者】宇野常寛

【出版社】幻冬舎

【オススメ度】★★★★★(評価基準はこちら

【発売した年】2020年

【ページ数】239ページ

【目次】

序章 オリンピック破壊計画

第1章 民主主義を半分諦めることで、守る

第2章 拡張現実の時代

第3章 21世紀の共同幻想論

第4章 遅いインターネット

宇野常寛さん、ステキな1冊をありがとうございます!

【お知らせ】

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