書評

【書評】『あるかしら書店』ヨシタケシンスケ 著 あなたも「あるかしら?」と言いたくなる

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本が大好きなあなたにオススメの記事です。

【書評】『あるかしら書店』ヨシタケシンスケ

みなさんこんにちは。ヤマムラユウイチロウです。名前がカタカナ表記なのはその方がカッコいいと思ったからです。勘違いでした。

今回紹介する本は『あるかしら書店』。もうね、著者のヨシタケシンスケさんの大ファンなんですよ。私。もちろん彼が携わった書籍は全て持っています。と言いたいところですが5冊くらいしか持っていませんでした。すみません。でも、とにかく好きなんです。

何が好きかってとにかくゆるいところですよ。

絵も内容もとにかくゆるい。

ゆるっゆるなんです。

例えば本書のカバーの返し。この部分って大体その本のエキスを抽出した言葉だったり、筆者の思いだったりが書かれているわけじゃないですか。

本書の返しはこちら。

読んでそのまま使える便利さ

ね?ゆるいでしょ?

ずっとこんな感じが続きます。すてきすぎる。

この絵を見て、「いや、紙だからプールじゃ使えないでしょ!」とか「バランス悪いからうまく浮かないだろ!」とか思っちゃった人は漫才のセンスはあるかもしれませんが日常会話のセンスはない人です。残念!

青年失業家として有名な田中泰延氏はこちらの記事で以下のように語ります。

田中:ツッコミ役というのは、話を終わらせるためにいるんです。日常生活には、ツッコミは不要です。

――会話を収束させる必要がないってことですか?

田中:はい。大阪における最高の会話というのはですね、5人いたら、5人全員がボケにボケを重ねあって、仮説に仮説を重ねあって、最初の話がなんだったのかわからなくなって、エントロピーが増大した地点がもっとも幸せな状態なんです。

ちょっと言っている意味がわからないかもしれませんね。詳しく知りたい人は元記事をご覧ください。ここではとにかく日常生活においてツッコミは不要であるということ、大事なのはボケであるということをご理解ください。

そんなボケがずっと続いていく『あるかしら書店』ですが、実は冒頭で「ゆるい」と表現したように、私は「ボケ」だとは思っていません

これはヨシタケさんからの「物事をAかBで捉える必要はないんじゃないか」というメッセージなのだと思います。

このメッセージは著書の『りんごかもしれない』や『それしかないわけないでしょう』からも感じ取れるものです。

例えば、「『作家の木』っていうのがあってね、育てると本が実としてなるんだよ。育て方やその年の気候によって本のおもしろさが違うんだよ」って言われたときに、それを「ある」か「ない」かで議論するのはアホらしいことです。

「今ググってみたらそんな情報はなかった!ありえない!」「文字というものは人間が勝手に生み出したものなのだから植物がそれに沿った物を作成するとは考えられない」とか、「この世にはまだ見つかっていない植物がいくらでもある。今後見つかる可能性はある」「インドには予言が書かれている葉があるらしいから物語を生み出す木があってもおかしくない」とか、そんなことを議論して何になるんですか。真面目に書いて損しました。

じゃあ「そんなわけないだろ!」ってツッコミを入れて話を終わらせてしまうのはどうなのか。これはちょっと寂しいですよね。

それよりも「知ってるよ!他の木をほめるとスネて実をつけなくなることがあるんだよね」と乗っかるのが一番みんなが楽しいと思うんです。さらに「『編集者の木』っていうのもあってさ・・・」と話が広がるかもしれませんし。

SNS上に存在する、人の間違いをひたすら訂正したり揚げ足をとったりする「正義マン」もそうですし、誹謗中傷を繰り返す人もそうですが、「正しさ」に重きを置きすぎなんですよね。

画像はイメージです

世の中には「正しさ」なんかどうでもいいことのほうがいっぱいあるわけです。

「正しさ」よりも「面白さ」や「優しさ」を必要としている人のほうがいっぱいいるわけです。

「フォロワーが少ないのはあなたのツイートが役にも立たないし、面白くないからです」と正論を言われても誰も得しないんですよ。知ってるよ、そんなこと。

もし「フォロワーが少ないのは、実はフォロワーの数は髪の毛の量と比例するようになっているんです。だからあなたの場合は仕方がないんですよ」って言われたら「なるほど、実は隠れハゲがたくさんいるんですね」とか「それは植毛で解決できるんですか?」とか返せるし、楽しい。いや、これは楽しくないか

著者のヨシタケシンスケさんは著書『ものは言いよう』の中で以下のように述べています。

だから、僕の絵本で見てもらいたいポイントは・・・・・・、「この人、弱い人なんだろうなあ」というのが伝わると本望ですね。そうです、その通りです、僕もできていない、一緒に傷をなめ合いましょうと。

135ページより

一緒に傷をなめ合う。これはお互いに慰め合う、支え合うともとれます。だからヨシタケさんの本には絵本にありがちな「これってこういうことだよね」という押しつけはなく、「これってこうかもしれないよね」という問いかけがあるのです。

ゆるいけど深い

本書は児童書です。子どもに「いろいろな考え方があるって楽しいし、すてきだよね」ということを伝えるのにはもってこいの1冊です。

それに加えて「正しいこと」に追われることに疲れてしまった大人にも良い薬となるのではないでしょうか。クスリとできるはずですよ。最悪のオチですね。

【名言・要約】3つのポイント

店のおじさんに「○○についての本ってあるかしら?」ってきくと、たいてい「ありますよ!」と言って奥から出してきてくれます。

3ページ

あの。なんか、「本そのものについて」の本ってあるかしら?

ゴザイマス。

65ページ

『本屋さんってどういうところ?』

3.検索ではたどり着けない新しい世界をいつも用意してくれるところ

87ページ

【実践】すぐにできることは?

あなたが欲しい本を妄想してみよう。

【読んだ気になれる一言】どんな本?と聞かれたら

 

なんだか不思議と本が読みたくなってくる本だよ。

 

【575まとめ】17文字でまとめると

あるかしら?

あなたもいって

みたくなる

【関連動画】こちらもどうぞ

【Youtube】絵本ナビより

出版記念の著者対談動画です。

【書籍の情報】オススメ度や発売年など

【書籍名】あるかしら書店

【著者】ヨシタケシンスケ

【出版社】ポプラ社

【オススメ度】★★★★★(評価基準はこちら

【発売した年】2017年

【ページ数】102ページ

ヨシタケシンスケさん、ステキな1冊をありがとうございます!

【お知らせ】

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